20163月から、現在まで水疱瘡(水ぼうそう)の予防の目的で使われていた乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」というワクチンが、50歳以上の方に限って、帯状疱疹の予防にも使えることとなりました。

水痘・帯状疱疹ワクチン

水痘・帯状疱疹ワクチンは日本が開発したワクチンです。毒素の弱まった水痘・帯状疱疹ウイルスを凍結、乾燥させた生ワクチンであり、蒸留水で溶解し使用します。重症化しやすい人に使用されてきましたが、今では広く用いられ、副作用もまったく認められないことから小児の水疱瘡に接種されることが多くなりました。

ワクチンを接種すると抗体陽性率は90%以上になります。しかし、それでも水疱瘡に罹患しないわけではなく、612%の人が水疱瘡を発症します。水疱瘡あるいは帯状疱疹に罹っている人と接触した場合、72時間以内にワクチンを打てば症状があらわれても軽症で済みます。

接種時期

小児で水疱瘡予防の場合、12ヶ月後からの接種ならいつでも可能です。ただ任意によるものなので、接種するかどうかは、本人または両親の判断となります。

帯状疱疹の場合も任意になりますが、帯状疱疹の発症する年代が50代~60代に多く、加齢により免疫力が低下するにしたがって重症化したり、帯状疱疹後神経痛になるリスクが高くなっています。

ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症率は65%にまで引き下げられているとの報告がされているので、帯状疱疹を予防するには50代からの予防接種は大事になってきています。また帯状疱疹は最近若い方にも多く見られています。幼児期に水疱瘡に罹患しても、そのときに作られた抗体は20年後には弱くなってきます。

帯状疱疹の予防ワクチンが水疱瘡の予防になるか?

大人になってからの水疱瘡は小児期に済ませる他の感染症と同じく、感染すると重症化しやすくなります。高齢になり発症した場合は、重症化するリスクが高くなり、肺感染症などの呼吸器疾患を併発させることもあります。

成人しても水疱瘡に感染していない方は、もし感染した場合に重篤な疾患を招く恐れがあります。

成人してからのワクチン接種は水疱瘡の予防にもなりますが、帯状疱疹への予防にもなりますので、早めのワクチン接種をお勧めします。

ワクチンの費用

ワクチン接種は法で定められた予防接種ではないため、保険の適用がなく、自費負担となっています。

<他のワクチンとの接種間隔>

生ワクチンの接種を受けた方は、通常、27日以上間隔をおいてこのワクチンを接種してください。また、不活化ワクチンの接種を受けた方は、通常、6日以上間隔をおいてこのワクチンを接種してください

予防接種詳細ページはこちら